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呼吸器外科







アピールポイント

 

肺がん (肺癌) に対する胸腔鏡下肺切除術

内視鏡を用いた傷の小さな、からだにやさしい治療 (完全胸腔鏡下肺切除術) を積極的に取り入れ、2013年では肺がん手術の97%に胸腔鏡下手術を行いました。

術後の痛みは軽く、早期の社会復帰・職場復帰が可能です。



堅密な連携体制

胸部疾患の治療は、呼吸器内科、放射線科との連携が必要です。
当院では合同カンファレンスを行い、診断、治療方針を共有しています。

また、循環器疾患や糖尿病などの合併症を持つ患者さまの治療には内科と協力して治療にあたっており、術後合併症の軽減に努めています。

呼吸器内科




主な診療内容

 

肺がん (肺癌)

症状 咳、痰、血痰、胸痛、発熱、声がれ、呼吸困難など。
無症状のこともあります。
説明 レントゲン、CT、気管支鏡、血液検査、PET / CTにより、肺がんの進行度を正確に把握します。
進行度に応じた最適の治療法を選択し、治癒を目指します。
治療内容

内視鏡を用いた傷の小さな、からだにやさしい治療 (完全胸腔鏡下肺切除術) を積極的に取り入れ、原発性肺がん手術29例中28例 (97%) に胸腔鏡下肺切除術を施行 (2013年) 。
術後の抗がん剤、放射線治療、緩和治療など。



気胸

症状 胸痛、咳、呼吸困難など痩せた男性に多い
説明 なんらかの原因によって肺に穴があき、もれ出た空気で肺が圧迫されしぼんでしまう病気。
症状、聴診、レントゲン等で比較的容易に診断がつきます。
治療内容 治療は肋間から管 (ドレーン) を挿入し、もれ出た空気を引き出す処置 (胸腔ドレナージ) を行うことが多い。
ドレナージで気胸が治らない場合や、再発を繰り返す場合は手術を行います。
手術はほぼ100%近く前述の胸腔鏡下手術で、空気漏れの部位を切除する手術を行います。従来2つの穴でしたが、最近では1つの穴 (単孔式) で行うことも可能で、痛みは緩和され、傷もほとんど目立ちません。


外来担当医表/休診表
[注意] 西岡医師の診療日をご覧ください


肺がんの治療について

 

肺がんは がんの種類別死亡原因の第1位です

近年肺がんは増加の一途をたどり、現在日本人のがん死亡原因の第1位になっています。
肺がんは他のがんに比較して予後不良で、5年生存率は20%前後です。

予後不良の原因としては、症状が出にくく、進行した状態で発見されることが多い、血流、リンパ流が豊富な臓器であるため容易に転移を起してしまうこと等があげられます。


肺がんの治療方針

肺がんの治療は外科手術、抗がん剤療法、放射線療法等がありますが、進行度に応じてこれらの治療を単独で用いたり組み合わせたりします。


日本肺癌学会が 肺がん診療ガイドラインを示しており、当科もこれを参考に呼吸器内科、放射線科と合同カンファレンスを開いて治療方針を決定しています。


肺がんは小細胞がんと非小細胞がん (腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなど) で大きく治療が異なります。


小細胞がんは悪性度が高く、早期に転移をおこすので基本的には抗がん剤療法、放射線療法等の非外科的治療が選択されます。


病期 1 , 2期の非小細胞肺がんと 1期の小細胞肺がんは手術の適応となります。


病期はがんの大きさ、リンパ節転移の有無、脳、肝臓、骨などへの遠隔転移の有無の3要素により決定されます (右表を参照してください) 。


完全胸腔鏡下肺葉切除術の導入

手術は、がんの存在する肺葉切除とリンパ節郭清が標準術式になっています。

当科では2000年までは、側胸部から背中にかけて25cm程度切開し、肋間を大きく開いて手術を行っていましたが、2000年以降は胸腔鏡というカメラを補助的に併用することにより15cm程度にきずを小さくできました。

さらに2007年からは 3cm, 3cm, 1.5cm の3つの小さなきずにカメラや手術器械を挿入し、画面に映し出される映像を見ながら手術を行う完全胸腔鏡下の肺葉切除を導入しています。
この手術は手技が難しい、手術時間がかかる、癌の手術として適切かどうかが明らかでない等の理由でまだ標準治療にはなっていませんが、1期肺癌では通常の開胸手術と成績は遜色ないという報告が多く、全国的にも拡まりつつあります。

しかしながら、2011年に行われた日本呼吸器外科学会のアンケートによると、この手術の導入率は27%にとどまっています。
当科では、導入当初は1期肺がんを適応としていましたが、最近では2期肺がん (ほぼすべての手術適応肺がん) までを適応範囲としております。

胸腔鏡下手術は開胸手術と比べて術後の回復に大きな差はありませんが、メリットはなんといっても、術後のきずの痛みが少ないことです。

小さいきずに加えて開胸器 (無理矢理肋間を拡げる器械) を使用しないことによる肋間神経の保護が痛み軽減に貢献しています。
出血量は平均 30ml と少なく、輸血をすることはほとんどありません。

90%くらいの方が、手術後1週間程度で退院できる状態まで回復しています。
また、手術後1ヶ月程度で事務仕事ができ、数ヶ月でゴルフができるようになるなど社会復帰が早いのも特徴の一つです。
早い人なら、術後2週間目くらいで仕事に復帰されます。

医療サイドのメリットとしては、拡大鏡 (カメラ) で精細な映像を見ながら行うので、慣れれば手術の質が上がります。

術者、助手のみんなが同一視野を見ているので、全員で安全確認ができ手術の教育にもなります (開胸手術の場合は、術者しか見えてない状況が少なからずあります) 。


当院での胸腔鏡下肺葉切除術の成績

2007年の導入から2013年3月までに69人 (原発性肺がん62人転移性肺がん7人) の患者さまに胸腔鏡下肺葉切除術を行いました。

手術関連死、在院死はなく、合併症はきずの感染など軽症のものがほとんどです。
これらの合併症は、いずれも保存的治療にて軽快しており、出血量も少なく、輸血することもほとんどありません。

原発性肺がん患者さま62人のうち2人が再発死亡されましたが、60人 (97%) は元気にされています (2013年4月1日時点) 。

同じ病期の開胸手術の5年生存率は86% (2010年日本肺癌学会調査) ですから、手術の質を落とすことなく、安全に手術が行えていると思います。

すべての手術適応肺がん患者さまに胸腔鏡下肺葉切除術ができるよう日々努力を重ねています。

そして、がん拠点病院として、多くの研究会を通じ地域の実地医科の先生方と連携を密にし、地域医療の質の向上に努めてまいります。



 
肺がん手術の合併症について
肺がんの手術 (胸腔鏡、開腹) において十分な注意を要する主な合併症には、出血、創感染、肺瘻・気管支瘻(切除縫合部や剥離面から空気が漏れること)、心肺合併症、リンパ節郭清に伴う合併症(反回神経麻痺、乳び胸など)、間質性肺炎、肺塞栓症、上下肢神経障害、脳血管障害などがあります。
また、患者さまの既往症や生活習慣に応じたケアも必要になります。
合併症が発生した場合は、直ちに病状の説明と最善の対処を施します。
患者さまには、これら合併症などのリスクを十分に説明し、納得されたうえで治療に臨んでいただきたいと思います。セカンド・オピニオン (他の専門医に意見を聞くこと) にも積極的に対応しておりますので、お気軽に申し出てください。
患者さまの家庭・仕事・職場・趣味など生活・社会とのつながりを回復するサポートをするため、スタッフ一同 努めてまいります。

 




診療実績 / 統計


肺癌の手術件数

疾 患 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
原発性肺癌 29 37 24 22
転移性肺癌 3 5 5 1


地域がん診療連携拠点病院の呼吸器外科として、呼吸器がんが中心の診療内容となっています。

手術の対象にならないがんに対しても、薬剤師や認定看護師とともに化学療法を、放射線科治療医師・臨床検査技師・看護師とともに放射線照射療法もおこなっています。

がんの治療においては栄養面での十分なサポートが必要です。
そこでNST (nutrition support team : 栄養サポートチーム) を組織し、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士が協力して患者さまの栄養状態改善に努めています。

さらに、末期がんに対しては緩和医療 (がん性疼痛の除去、鎮静、精神的サポート) を行うための緩和ケアチームのサポートも得て、さらに質の高い治療を推進しています。


外来担当医表/休診表
[注意] 西岡医師の診療日をご覧ください

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スタッフ紹介

名前 (ふりがな) 西岡 清訓(にしおか きよのり)
役職 呼吸器外科部長
専門分野 呼吸器外科
内視鏡外科
上部消化器外科
学会専門医・
認定医
日本呼吸器外科学会認定専門医
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会認定指導医・専門医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会認定指導医・専門医
日本がん治療認定医機構認定医
麻酔科標榜医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会(兵庫県・阪神北圏域)修了

名前 (ふりがな) 高地 耕(たかち こう)
役職 第二外科部長
専門分野 上部消化器外科
胸部外科
学会専門医・
認定医
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会認定医
日本食道学会認定医
日本外科代謝栄養学会・日本静脈経腸栄養学会NST医師教育セミナー修了
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会(兵庫県・阪神北圏域)修了
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本がん治療認定医機構認定医
茨城県がんのリハビリテーション研修会修了
日本医師会指導医のための教育ワークショップ修了

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