診療科
治療法は⼿術が原則です。
がんのある腎臓を摘出しますが、⼩さな腎がんでは部分切除による腎温存にも取り組んでいます。
⾃覚症状は⾎尿、腹部腫瘤、発熱などですが、がんが⼤きくならないとこれらの症状はでません。
最近はドックなどでの超⾳波検査やCTで偶然⾒つけられることが多くなりました。
⼿術は腹腔鏡⼿術が基本としていますが、⼤きな腎癌などは開腹⼿術が必要です。
転移がある場合は、腎摘術+インターフェロンなどのサイトカイン療法や分⼦標的薬による治療を⾏います。
前⽴腺癌は最近増加しています。
診断⼿順は⾎液検査でPSAを測定、異常⾼値ならば前⽴腺針⽣検を⾏い診断します。
針⽣検は1泊2⽇の⼊院で⾏っています。
当科での前⽴腺⽣検の癌陽性率は約40%ですが、MRIなどを組み合わせることによりさらに診断精度の向上に努めています。
排尿困難や頻尿などおしっこに関する異常が症状といえますが、症状で前⽴腺肥⼤症と区別することはできません。
やはりPSA検査をうけることが重要です。
前⽴腺全摘術・放射線療法・内分泌療法など多岐にわたる治療法があります。
転移がない場合は⼿術や放射線療法などが、転移がある場合や⾼齢者には内分泌療法が適しています。
充分なインフォームドコンセントのもとに、その⽅に応じた適切な治療を⾏うように努めています。
膀胱粘膜から発症する癌です。
筋層浸潤のない表在がんと筋層浸潤のある深達がんで治療法が⼤きく異なります。
また、化学療法や放射線療法も有効です。
最も多い症状は⾎尿です。
表在がんでは経尿道的腫瘍切除術 (TUR-Bt) や膀胱内注⼊療法で治療します。
深達がんでは膀胱全摘術が標準治療ですが、TUR-Btと化学療法・放射線療法を組み合わせた膀胱温存療法にも取り組んでいます。
腎盂や尿管粘膜から発症する癌です。
膀胱と同じ組織型ですので、膀胱癌と同様に化学療法や放射線治療も有効です。
膀胱癌と同様最も多い症状は⾎尿ですが、背部痛など尿管結⽯と症状が紛らわしい場合があります。
腎尿管全摘術が標準術式です。
⼩さな尿管癌では尿管鏡下⽣検を先⾏させ、悪性度が低ければ尿管部分切除にとどめ腎を温存する場合もあります。 腎臓癌と同じく⼿術は腹腔鏡⼿術が基本です。
精巣にも癌ができます。
若年者に多い癌です。
化学療法が有効で、転移のある場合でも根治できる可能性があります。
症状は精巣の無痛性腫⼤です。
精巣が⼤きくなってきた、陰嚢内にしこりを触れるようになってきたなどの場合は早急な受診が必要です。
精巣を摘出します。
転移があれば化学療法を施⾏します。 放射線治療も有効です。
男性の加齢現象です。
中⾼年になると前⽴腺内部の尿道周囲腺とよばれる部分が肥⼤してきます。
その結果前⽴腺が⼤きくなり、膀胱・尿道を圧迫し排尿困難や頻尿などの症状が出現します。
おしっこが近い、尿がもれる、おしっこに時間がかかる、残尿感があるなど
薬の治療と⼿術による治療があります。
薬による治療は症状緩和⽬的が主体で、根本治療は⼿術となります。
⼿術は経尿道的前⽴腺切除術 (TUR-P) を基本としています。
⼤きな肥⼤症でも経尿道的⼿術を基本とし、開腹⼿術はほとんど⾏っていません。
⾼齢や合併症で⼿術困難な尿閉例にも、局所⿇酔による尿道ステント留置をおこない排尿可能となるように努めています。 また近年肥⼤症の縮⼩を⽬的とした薬剤も出現しています。
腎臓にできる腎結⽯、それが尿管に落ちてきた尿管結⽯を上部尿路結⽯と呼びます。 なぜ⽯ができるかはまだよくわかっていません。
⼀⽅、膀胱にできる結⽯を下部尿路結⽯といいます。
原因は前⽴腺肥⼤症や膀胱機能低下による残尿が原因です。
残尿による慢性尿路感染が膀胱結⽯発症につながります。
腰背部痛がある、⾎尿がでる、頻尿は排尿痛があるなど
上部尿路結⽯はカルシウム結⽯が多くこれらは薬ではとけません。
5mm以下の⼩さな尿管結⽯は⾃然にでることが多く排⽯を待ちますが、腎結⽯や5mm以上の尿管結⽯は体外衝撃波結⽯破砕術 (ESWL) 、経尿道的尿路結⽯除去術 (TUL) 、経⽪的尿路結⽯除去術 (PNL) を⾏っています。
近年開腹⼿術例はありません。
膀胱結⽯も経尿道的砕⽯術が主体ですが、結⽯形成の原因となった疾患の治療も必要です。
当院は平成27年12⽉より腹腔鏡下前⽴腺⼿術の認定施設となりました。
このことにより当院で「腹腔鏡下前⽴腺⼿術(LRP)」が実施できることになりました。
LRPは開腹術と⽐較して術後ADLがよく、拡⼤視野の利点を⽣かすことで、出⾎量の減少・尿禁制の改善・神経温存等のメリットが期待できます。 当院では今後も腹腔鏡下⼿術の更なる充実を⽬指していきます。
前⽴腺肥⼤症に対して従来の経尿道的前⽴腺切除術 (TUR-P) のほかに経尿道的核出術 (TUE-P) も導⼊しました。 現在肥⼤症の程度により使い分けていますがこれにより出⾎量の減少・⼿術時間の短縮が期待されます。
従来の硬性尿管鏡 (r-TUL) では対応困難な場合があった上部尿管結⽯や、r-TULでは治療不能であったESWL無効腎結⽯に対しての治療が可能となりました。
ESWLとr-TULそしてf-TULを組み合わせることですべての結⽯治療に対応します。
ESWLをうけたけどうまくいかない、⽯が残っているなどの⽅は⼀度ご相談ください。
このたび、従来のESWL機種(ドルニエ リソトリプターS)を更新し、新たにStorz社製「モデュリスSLX-F2」を
導⼊しました。モデュリスSLX-F2の特徴として次のような点が挙げられます。現在のESWL機種の中で最も⾼性能な機種であると⾃負しています。
円筒型電磁変換⽅式による従来機種最⼤の焦点圧⼒と、⼤⼝径治療ヘッドによる疼痛・⽪下⾎腫・腎ダ メージの軽減
焦点サイズを2種類選択できるため結⽯の⼤きさ・硬さに応じてより効率の良い破砕が可能
従来機種の中で最⼤の焦点深度(180mm)であるため、焦点が結⽯に届かず治療不能であった肥満者も 治療可能