2019.05.14
医療コラム
一般にお薬は、医師の指示通り決められた用法・用量を守れば、身体の中で一定の血中濃度を保ち、お薬の効果を最大限に発揮し、副作用のリスクが最小限になるように作られています。
しかしながら、一部のお薬では薬物の血中濃度が治療効果や副作用発現に密接に関係するものがあります。
具体的には、①薬物血中濃度と治療効果の発現が相関する薬物、②治療域と副作用発現域が近く、副作用を起こしやすい薬物、③薬物の吸収・分布・代謝・排泄に個人差が大きい薬物、④濃度依存的に生じる副作用が重篤な場合などが挙げられます。
このようなお薬は、患者さまの疾患の状態や遺伝的あるいは環境的な因子によって血中濃度が大きく変わってきます。
このため個々の患者さまの治療において、薬物血中濃度を測定し、その経時的なデータを薬物速度論的に解析して最適な薬物投与設計を行う必要があります。
これを薬物治療モニタリング(TDM:Therapeutic Drug Monitoring)と言います。
TDMが必要な時に、患者さまから血液をいただき、実際の治療効果や副作用の確認をさせていただくことがありますので、患者さまのご理解とご協力をお願いいたします。
強心配糖体、テオフィリン製剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、アミノ配糖体抗生物質、免疫抑制剤など